m✦まなびラボ

ホーム / ニュースで学ぶ / 暮らしと環境

暮らしと環境 · 全体と内訳を分ける

食品ロスは減った。でも、全部が減ったの?

全体の数字と内訳は、違う動きをすることがあります。足し算と引き算で、ニュースの中身を確かめます。

編集・資料確認:2026年10月30日約7分国語・算数・理科・社会

まず、何が発表された?

環境省は2024年度の食品ロスを約461万トンと推計しました。内訳は家庭系224万トン、事業系237万トン。前年度は合計464万トンでした。 出典 ↓

発表:環境省 / 2026年6月30日
対象:2024年度(令和6年度)・推計値

考える入口:合計が3万トン減ったなら、家庭からも事業者からも、捨てる量が減ったのでしょうか。

無料で読める元の資料へ ↗
食品ロス
食べられるのに捨てられた食品。食べられない部分も含む食品廃棄物全体とは区別します。
推計
調査や報告などの資料を使って、全体の大きさを見積もること。
内訳
全体を、いくつかの種類に分けた中身。この資料では家庭系と事業系です。

01 国語の知識で読む

発表した年と、調べた年度を分ける

この発表は2026年ですが、対象は2024年度です。「2026年の食品ロスは461万トンだった」と書くと、調べた時期を変えてしまいます。ニュースには、出来事が起きた時、調査の対象期間、発表日という複数の時間が登場します。

また、「推計された」は、全国のすべての食品を一つずつ量った、という意味ではありません。調査や事業者の報告などをもとに全体を見積もった数です。「約」「推計」という言葉も残すことで、資料が伝えている確かさの範囲に合った説明になります。

この知識を学習マップで確かめる →

02 算数の知識で読む

全体の減少を、二つの増減に分ける

公表された表で比べると、家庭系は233万トンから224万トンへ9万トン減っています。一方、事業系は231万トンから237万トンへ6万トン増えています。9万トンの減少から6万トンの増加を差し引くと、全体では3万トンの減少になります。

つまり「合計が減った」と「どの種類も減った」は同じ意味ではありません。合計だけを見て安心するのではなく、内訳の表を読むと、次に詳しく調べたいところが見つかります。なお、公表値は丸められているため、別の年度や別の表では内訳の和と合計が一致しない場合もあります。

この知識を学習マップで確かめる →

数字を確かめる

合計は減少、事業系は増加(単位:万トン)

2023年度合計 464万トン
2024年度合計 461万トン

青:家庭系 / 茶:事業系 共通の軸:0〜500万トン

合計は減少、事業系は増加(単位:万トン)
年度家庭系事業系合計
2023年度233231464
2024年度224237461

出典:環境省の掲載値。詳しくは元の資料へ。

03 理科の知識で読む

食べ物を、ものとエネルギーの流れで見る

給食のご飯を例に考えましょう。イネは光を使って成長し、収穫した米は運ばれ、炊くときには水と熱を使います。できあがったご飯の向こうには、生産から調理までの過程があります。食べられるご飯を捨てると、食べ物だけでなく、その過程で使った資源を十分に生かせなくなります。

ただし、食品ロスが1トン減れば温室効果ガスも1トン減る、という計算はできません。食べ物の種類、生産方法、運び方、処理方法によって関係が違うからです。重さの表から直接わかることと、別の資料や計算が必要なことを分けましょう。

この知識を学習マップで確かめる →

04 社会の知識で読む

家庭と事業者では、減らし方も違う

家庭なら、冷蔵庫の中を確認して買い物をしたり、食べきれる量を用意したりする工夫が考えられます。お店なら、売れる量の予測や仕入れ、販売のしかたが関わります。同じ「捨てる」という結果でも、そこに至る道筋が違うため、対策も同じ一つにはなりません。

今回の表は、どちらがどれだけ増減したかを教えてくれますが、その原因を一つに決める資料ではありません。「事業系が増えたのは、どの業種で、何が変わったからか」と次の問いを立て、詳しい調査へ進みましょう。数字から問いをつくることも、社会の学び方です。

この知識を学習マップで確かめる →

全体 → 内訳 → 原因の順に読むと、合計の数字の向こうに、次の問いが見つかります。

読めたか、確かめよう

ニュースを読み解く1問

正解と解説を読む

正解:家庭系は9万トン減り、事業系は6万トン増えた

家庭系は233−224=9万トン減、事業系は237−231=6万トン増です。全体の減少は3万トン。減少率は3÷464×100≒0.65%で、3%ではありません。公表された丸め済みの値で計算しています。

自分の言葉にしてみる

一文で、説明してみよう

この記入欄は送信・保存されません。残したいときはコピーするか、印刷してください。

説明の例を見る

2024年度は家庭系が9万トン減り、事業系が6万トン増えたため、公表値の合計は前年度より3万トン減った。

出典・もう少し調べる

資料確認日:2026年10月30日。発表の要点に、教科の知識を使った独自の解説と学習例を加えています。

  1. 環境省:食品ロスの発生量の推計値(令和6年度) ↗発表日・対象年度・推計方法・比較表
  2. 環境省:食品ロスポータルサイト ↗食品ロスの分類と身近な取り組み