半導体 · 1988年
日本の半導体は、なぜ世界の半分を占めた?
高品質なメモリーを量産する技術が、大型コンピューターの需要と結びついたからです。
- 指標
- 企業の国籍別・半導体売上高シェア
- 対象
- 日本企業の合計
- 時点
- 1988年
経済産業省の通商白書2023は、世界の半導体売上高に占める日本企業のシェアが1988年に50.3%に達し、2019年には約10%になったと示しています。 出典を見る ↓
1988年の50.3%は、日本企業の半導体売上高シェアです。日本国内の工場の生産量や、電子機器すべてのシェアではありません。
- 高い信頼性への需要
- 研究開発と量産品質
- メモリーの競争力が拡大
01
電子機器を、部品まで分けて見る
半導体には、計算をするもの、情報を記憶するもの、電力を制御するものなどがあります。日本の成長を語るときに大切なのが、情報を一時的に記憶するDRAMです。「電子機器が全部世界一」では、どの技術がどの需要に合ったのかを説明できません。
02
故障の少なさが、買う理由になった
大型コンピューターでは、部品の不具合がシステム全体に影響します。日本半導体歴史館は、1980年に公表された日米DRAMの品質比較が日本製品の評価を高めたと説明しています。品質をそろえて繰り返し量産する能力が、顧客の求める信頼性につながったのです。
03
工場だけでなく、研究と装置も育った
1976年には超LSI技術研究組合が発足し、微細加工などの基礎技術開発が進みました。小さな回路をつくるには、設計だけでなく、材料、加工装置、測定、製造条件の改善が必要です。こうした技術の蓄積と企業の量産投資が組み合わさって、競争力を育てたと考えられます。
04
得意だった仕組みと、市場の変化
その後は、メモリーでの国際競争、設計と製造を別企業が担う分業の進展、投資規模の拡大などに対応する必要が生まれました。貿易摩擦も含め複数の要因が重なっており、「一つの政策だけ」「技術力だけ」で変化を説明することはできません。半導体全体の順位と、材料や装置の強さも分けて見る必要があります。
得意な技術は、市場が求める品質・価格・速度と合っているときに、強い競争力になります。
出典・確かめる資料
確認日:2026年10月30日。順位の事実と、背景をつなぐ分析を分けて読めるようにしています。
- 経済産業省「通商白書2023」1988年50.3%、2019年約10%
- 日本半導体歴史館「1980年代前半」DRAMの品質評価と輸出拡大
- 日本半導体歴史館「集積回路1970年代」1976年の共同研究と技術開発
- 経済産業省「半導体戦略(概略)」2021年貿易摩擦、分業、投資などの構造変化