WHY WORLD HERITAGE?
世界遺産に、選ばれた理由。
大陸から歩いて来られなかった島
小笠原諸島は、本州から南へ約1,000kmの海にあります。大陸と一度も陸続きになったことのない「海洋島」では、生きものが陸を歩いて移ってくることはできません。風や海流、鳥などを通じてたどり着けた限られた祖先から、島の生物相が形づくられてきました。海に囲まれて離れていること自体が、自然の歴史を考える鍵になります。
同じ祖先から、多様な生き方へ
島へ到着した生きものの子孫は、ほかの集団と交流しにくい状態で長い時間を過ごしました。陸産貝類などには、生活場所や環境の違いに対応して多様な種に分かれてきた例が見られます。共通の祖先から異なる環境に適した形へ分かれる進化を「適応放散」と呼びます。こうした過程を伝えることが登録の理由で、生きものが自分の意思で体を変えるという意味ではありません。
小さな生きものを、島の環境ごと守る
小笠原の固有の生きものには、分布が狭く、新しい捕食者や競争相手の影響を受けやすいものがあります。人の移動に伴って入った外来種への対策が重要です。靴底の泥を落とし、決められた経路を歩くことも保全につながります。登録は島々の指定区域と一部海域が対象で、小笠原のすべての島や集落、海を一律に含むわけではありません。
登録理由の出典:UNESCOの登録説明・評価基準 ↗
COMPARE TO UNDERSTAND
似た場所と比べると?
奄美・沖縄と比べると、島の出発点が違う
奄美・沖縄では大陸や島とのつながりと分離が、生きものの歴史に関係しています。小笠原では、そもそも大陸と陸続きにならず、海を越えた限られた祖先から生物相が形づくられました。どちらにも固有の生きものが多くいますが、そこへ至る道は同じではありません。小笠原の陸産貝類などが示す進化の過程に、独自の価値があります。
公式の登録価値をもとに、特徴の違いを学習用に整理しています。現地で、ここを見てみよう。
1展示で陸産貝類の形を比べ、すむ場所との関係を探そう。
2外来種を持ち込まない靴底洗浄が、何を守るのか考えよう。





